2012年06月17日
庶民が「うまい」と感じたものは
「目黒の秋刀魚(さんま)」という落語があります。江戸時代、ある殿様が、通り掛かった目黒で、農家の主人が焼いた秋刀魚をごちそうになりました。ただ焼いただけの素朴な魚です。しかし、初めて秋刀魚を食べた殿様は、そのおいしさに感激しました。
その味が忘れられず、後日の宴会で、殿様は過日の秋刀魚を所望しました。しかし、殿様の前に出てきた秋刀魚は小骨を抜き、柔らかく蒸したものでした。期待した味はいまいちでした。聞けば、日本橋の魚河岸から取り寄せた最高級の秋刀魚でしたが、殿様の期待に添えませんでした。そこで殿様が一言。「それはいかん。秋刀魚は目黒にかぎる」(興津要編『古典落語』)と。
ここでいえる事は、庶民が「うまい」と感じたものは、殿様にとっても美味だった――庶民の日常の感性が、平凡でありながら、いかに大切な本質をとらえているかを知ることができます。
その味が忘れられず、後日の宴会で、殿様は過日の秋刀魚を所望しました。しかし、殿様の前に出てきた秋刀魚は小骨を抜き、柔らかく蒸したものでした。期待した味はいまいちでした。聞けば、日本橋の魚河岸から取り寄せた最高級の秋刀魚でしたが、殿様の期待に添えませんでした。そこで殿様が一言。「それはいかん。秋刀魚は目黒にかぎる」(興津要編『古典落語』)と。
ここでいえる事は、庶民が「うまい」と感じたものは、殿様にとっても美味だった――庶民の日常の感性が、平凡でありながら、いかに大切な本質をとらえているかを知ることができます。
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