2012年06月18日

 「私の言うことを信じていただきたい」。1940年の今日、6月18日。ナチス占領下のフランスで、ラジオから力強い演説が流れました。声の主はシャルル・ド ゴール(村上光彦・山崎庸一郎訳『ド・ゴール大戦回顧録』みすず書房)
 この演説はロンドンのラジオ局「BBC」で放送され、電波はフランスにも届きました。パリ陥落からわずか4日後のことです。彼は亡命先のイギリスから、フランスの人々に反転攻勢を呼びかけました。「何が起ろうとも、フランスの抵抗の焔は消えさってはならぬし、また消えさることはない」と。
 いまでこそフランスのみならず世界的にドゴールの名は知られていますが、当時のドゴールは、一軍人。後日、ドゴールは私には「いかなる名声もなかった」「兵力も組織もなかった」「孤独であった」と述懐しています。だが彼には「声」がありました。どんなに絶望的であろうと、希望を叫び続ける不屈の声がありました。反撃開始の口火となった演説は、同国史上、最重要の演説の一つとされています。


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Posted by 柏原佐保 at 2012年06月18日 15:22