2018年08月27日

「育む」の語源は「羽くくむ」

 庭木にヒヨドリの巣が見えます。「枝切りをしている時に見つけたんだけど」と、家主が頭をかいた。夏の日差しを遮る葉まで除いてしまったらしい。
 既に卵は産み付けられた後。熱暑の中、親鳥はじっと卵を温め続けました。無事に生まれてほっとしたのもつかの間、今度は激しい夕立が。すると親鳥は羽を大きく広げました。ひなは水にぬれると体温を奪われ、命を落とすこともあるそうです。親鳥はひなを守る“屋根”をつくったのです。先日、晴れて巣立ちの時を迎えました。
 「育む」の語源は「羽くくむ」というそうです。「くくむ」は「包む」の古語。親鳥が羽でひなを包む姿に由来しています。万葉集にも「旅人の 宿りせむ野に 霜降らば 吾が子羽ぐくめ 天の鶴群」とあります。海を渡った息子が寒さで凍えぬよう、母の私に代わり、その翼で温めておくれと鶴に願った歌だそうです。なんと風流な!!

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