2018年05月08日

普通に咲くものと

 北海道・厚田の戸田記念墓地公園の桜。多くの人が8000本の桜を楽しんでいます。
 しかし、一昨年、墓園の桜の多くが咲かなかったそうです。原因は、つぼみを食べられてしまったのです。“犯人”は全長15センチほどのウソという鳥でした。ウソは天候不順などで、山中の木の実等が少ないと、群れで里に下り、果樹の花芽や桜のつぼみを食害することがあるのです。地球温暖化の影響を指摘する専門家もいるそうです。
 どうすれば桜を守れるか――この一年、桜守の人々は懸命に考え、対策を打ってきました。研究を重ね、ウソが嫌がる音を見つけ、定期的にマイクで流しました。延べ10キロに広がる桜の一本一本を、何度も確認しました。風雪や低温、潮風等に対する例年の対策に加え、作業は増えたのはもちろんです。
 「桜は毎年、普通に咲くものと思っていました。」と、ある来園者。皆が感じる“当たり前”の喜びも、人知れぬ数々の労苦から生まれることを、あらためて知ったのです。

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