2018年04月16日

「大人」の要件

 江戸時代の蘭医学者・緒方洪庵が著した『扶氏医戒之略』に次の一節があります。「病者に対しては唯病者を視るべし。貴賤貧富を顧ることなかれ」と。
 診察に限らず、洪庵は普段から誰にでも分け隔てなく接しました。弟子の福沢諭吉は「客に接するにも門生を率いるにも諄々として応対倦まず、誠に類い稀れなる高徳の君子」と師を敬慕していました(中田雅博著『緒方洪庵――幕末の医と教え』思文閣出版)。
 相手によって態度を変えない。これが「大人」の要件の一つでしょう。

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