2018年04月04日

陰の人々

 昨年、トヨタ自動車の草創期をモデルにしたドラマが放映されました。このドラマは特に販売店や部品メーカーといった、陰の人々に光が当てられていました。
 同社の市販車第1号は、よく故障しました。苦情も殺到し、販売は困難を極めました。だが販売店の支配人は負けていない。「我々が自信をもってユーザーに差し上げることのできるものは、ただ誠意・誠実・まごころ、それだけだ。我々は全力をあげて、それを実践する」(若松義人著『トヨタのリーダー 現場を動かしたその言葉』PHP研究所)
 営業マン自ら、整備・点検に汗を流しました。整備士と共に故障車のもとへ、昼夜を問わず駆け付けたのです。もっといい車を作ってくれれば、苦労しないのに――こう思って当然であろう。だが彼らは人をあてにしたり、人のせいにはしなかったのです。“国産車を育てるのは自分だ”という決意と確信は、技術者にも劣らなかったのです。
 

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