2017年07月29日

夜明けの地

 岩手県釜石市は、日本の近代製鉄の夜明けの地です。1857年(安政4年)、南部藩士・大島高任が同地に築いた洋式高炉で、鉄鉱石製錬による鉄づくりが、日本で初めて成功をみたのが始まりです。
 大島は、果断な実行力で〝猪〟と言われました。地元の物産と人材を徹底して集め、活用する「就地取材」を身上としたのです。1880年(明治13年)、大島が築いた高炉を礎に、官営釜石製鉄所が発足しますが、政府の政策転換で、わずか3年で下火となり、民間に払い下げとなりました。
 その後、49回目の挑戦の末に、銑鉄の製造を成功させたのは、大島が信じた地元・釜石の人々だった。ここで腕を磨いた職人たちが、福岡・八幡などに技術を伝え、日本の近代化を開いていったのです。

この記事へのトラックバックURL

http://asunimukatuye.mediacat-blog.jp/t123496