2016年06月20日

手にした塩

 娘は塩子といいます。命名の由来をサラリーマンの父が語っています。「娘にも塩のように地味でいい、地道に、人間としてまっすぐな道を……そういう父親の願いを……」。これは、向田邦子さんの『蛇蠍のごとく』にある一シーンです。
 サラリーとは、昔、働いた分、手にした塩を意味しました。華やかではない。しかし、信念の道を自分らしく、堂々と進んでほしい。偉くなるよりも、幸せになってほしい。そんな心情が迫ってきます。

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