2016年06月21日

最高の親孝行

 第35代横綱の双葉山が幕下時代、地方巡業で九州へ行き、実家に1泊しました。夜中に目が覚めると、父親が自分の体をさすっている。10歳で母を亡くし、家業も失敗。何かと苦労をさせたわが子がこんな立派になって、と感慨深かったのだろう。
 ここで起きると、父もばつが悪かろうと、双葉山はずっと寝たふりをしたという。親と子が互いを思いやり、無言にして心通い合う、美しい情景が目に浮かび、胸が熱くなります。
 双葉山は引退後、「時津風」を襲名し、部屋を持ちました。後年、最もうれしかった出来事は、わが子のように育てた弟子が優勝し、横綱になったことだと話しています。
 親にとって、子の成長こそ喜び。人として大きくなった姿を見せることが、最高の親孝行となるのです。

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