2015年08月20日

天才だ!

 「天才だ!」。将棋好きの大人たちを悩ませる「詰め将棋」の正解手順を小学1年生が当てると、嘆声があがった。将棋の先生にたたえられたのは、幼き日の米長邦雄永世棋聖です。「私は生まれて初めて『天才』と言われた。以後、数えきれないくらい『天才』と呼ばれたが、このときほどの重みはない」と、振り返っています。
 実は米長少年は、詰め将棋のルールすら分かっていなかったのです。“当てずっぽう”の正解である。だが、「将棋を知らなくて答えを出したのなら、なおいい。天才だ!」と、先生は繰り返しました。すっかりその気になった米長少年は、「天才」の名に恥じないよう努力を重ねたという(『人生 一手の違い』祥伝社)
 誰もが、いかようにもなれる可能性を秘めています。だが、自分ではそれを、なかなか信じ切れないもの。その“不信”を打ち破る確信の一言が、人生を大きく開いていくのです。

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