2015年02月17日

役者として光るものを

 俳優の仲代達矢さんが、まだ無名のころ、黒澤明監督の映画「七人の侍」に出演しました。せりふがなく、数秒だけ登場する浪人役。だが、監督から何度もげきが飛ぶ。歩くだけの撮影に6時間も要し、その間、他の役者らを待たせた。屈辱を感じ、〝うまくなってやる〟と誓ったそうです。
 7年後、「用心棒」の出演依頼が届いた。黒澤監督は、仲代さんに役者として光るものを感じていた。だから「七人の侍」のとき、あえて演技の厳しさをたたき込んだのだ(高橋豊著『幻を追って』毎日新聞社)

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