2014年05月23日

薩摩の教育法

 明治の革命を担った薩摩には、「詮議(せんぎ)」という特徴的な教育法がありました。
「もし、こうなったら」と、子どもにさまざまな仮定の問いを投げ掛けるのです。その他 「道を歩いていて脇の塀の上から唾を吐きかけられたら、どうするか」など、考えさせる訓練を繰り返したそうです。
江戸時代になり、武士の教育は四書五経の暗記のような形式的なものが広がりましたが、薩摩では知識よりも知恵を重んじました。僻遠の地で育まれた判断力が、新しい時代の波をつくったのです(磯田道史著『歴史の愉しみ方』中公新書)
知識を身に付けるなら「座学」が適します。だが、判断力、発想力を磨き、知識を現実に生かしていくには、問いを投げ掛け、語り合う実践が効果的です。そこから、知恵が生まれるのです。

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