2014年01月31日

きょうの努力

 大相撲初場所は白鵬の優勝でした。昭和の良き時代。大一番が近づく夕暮れ時、銭湯から客が消え、電気店の店先のブラウン管テレビに人だかりができたという。昭和の名横綱・大鵬は、高度経済成長時代を象徴する国民的ヒーローでした。
当時、評論家から「大鵬の相撲は型なしだ」と批判されていました。基本の構えをもたない彼の相撲を、“横綱らしくない小さな相撲”とくさしたのだ。だが、師匠の二所ノ関親方は「相手次第でどんな相撲でも取れる」「お前には自然体という立派な型があるじゃないか」と励ました(『巨人、大鵬、卵焼き』日本経済新聞社)
自然体は、自由気ままとは違う。大鵬が、語った言葉の中に「自然体」の意味を探るヒントがあります。「『押し込む力』を磨き上げることです。前に出る。押す。その力と勢いが増せば、相手が見えてくる。そのちょっとした余裕の中で、技は決まるんです」と。瞬間で勝負が決まる土俵の上で、「余裕」「自然体」であるために、どれほどの鍛錬があったか。基本を徹底的に磨いた上につかんだ自信のなせるわざに違いない。
伝説の鳥「大鵬」は、ひと飛び9万里を行くという。だが、大空を自在に翔る王者にも、羽を必死に動かした鍛えの時代があったはずだ。私もきょうの努力を怠るまいと、誓いました。

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