2013年10月19日

自分自身

 人の持っている長所と短所は本来、表裏一体です。「わがまま」は「自分に正直」とも言えるし、「引っ込み思案」は「慎み深い」とも言えます。短所は長所になるし、長所は短所にもなります。
 スポーツライター等で活躍する乙武洋匡氏と、若手書道家の武田双雲氏の対談集『だからこそできること』(主婦の友社)で、生まれつき手足のない乙武氏が語っています。「何かもうちょっとみんなとの違いというものを意識しながら生きていかないと、宝の持ち腐れだなと思った」と。手足のないことを「宝」と捉える強さ。すごい一言です。氏は小学校の教諭を経験し、保育園の開設にも尽力しています。
 一方、武田氏によると、経験が物を言う書道の世界では、若いことがハンディになるという。しかし氏は「若いからできることがいっぱいある」と捉え、音楽家や彫刻家などと連携し、独自の創作活動に打ち込んでいます。人が生きていくための最大の“資源”は、富でも名声でもなく、自分自身です。

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