2013年08月10日

二者択一の発想

 デジタル思考の広がりが背景にあるのか、社会の中に二者択一の発想が多いように感じるのは私だけでしょうか。
 この二者択一は流行語にも反映され、勝ち組・負け組と二分したり、草食系・肉食系などと分類したりします。単純化して特徴を際立たせる面白さがあるのは分かりますが、気になる傾向です。
 宗教についても、この二者択一が顔を出します。「祈るというのは他力本願のようで嫌いだ。自分の努力と信念で勝負したい」――つまり自力か他力かの選択だと。しかし、これはどちらかを選ぶという類のものではありません。仏法では、祈りという行為によって、初めて自己の内に眠っていた「無限の可能性=自力」が働き始める、と考えます。孤立した自力に頼っていたのでは行き詰まる。“本当の自力”は、永遠なるものへ開かれた、広々とした生命において発揮されるものなのです。

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