2013年05月18日

シェークスピア

 毎日、世界のどこかで上演されているのがシェークスピアの演劇作品です。だが意外にも、18世紀までは別の文学者による改作の方が人気で、原作への評価は高くなかったそうです。作品の真価に光が当たったのは、彼の死から185年後の1801年のことでした。ドイツの青年文学者、アウグスト・フォン・シュレーゲルの主張によります。
 彼は、シェークスピ ア作品が〝ヨーロッパ精神の根底にある異質なもの同士の緊張を、ダイナミックに体現している〟と主張。これがシェークスピアの母国イギリスに飛び火し、再 評価のきっかけとなりました(『シェイクスピア・ハンドブック』三省堂)。
 一人の青年の主張によって、演劇史は塗り替えられたのです。シェークスピアの戯曲は名言の宝庫です。その一つに「行動こそ雄弁なり」とある(「コリオレーナス」)。

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