2013年04月30日

京都・嵐山

 京都・嵐山に中国・周総理の詩碑が立っています。碑に刻まれている 詩「雨中嵐山」は1919年4月5日、21歳の周青年が雨の中、桜咲く嵐山を訪れた折のものです。その一節には「この世のあらゆる真理は/求めれば求めるほど曖昧である/――その曖昧さのなかにたまたま一点の光明が見えると/ほんとうにますますあでやかで美しい」と。列強に脅かされている祖国・中国。その祖国のため学びに学べども、一向に救国の道筋は見えてこない――周青年の苦悩が伝わってきます。
 その中で見いだした「一点の光明」。それを王永祥・高橋強氏は『周恩来と日本』(白帝社)で「みずからの覚悟」と指摘しています。いかなる艱難辛苦の連続であろうとも、決して戦いをやめない。その「覚悟」なくして、時代の闇を切り開くことなどできない。それが、周青年の確信だったのです。

この記事へのトラックバックURL

http://asunimukatuye.mediacat-blog.jp/t90178