2013年01月03日

利他の行動

 日本の停滞を嘆く「失われた10年」という言葉は今、「失われた20年」へと、そのまま数字が入れ替わっています。「経済成長=幸福」という方程式がすっかり錆び付いたところに東日本大震災が起こりました。大切な命が奪われた。インフラ、生活手段が消えました。被災者の方々の苦闘は今も続いています。しかし、その中で見いだした希望がありました。
 「不思議だね……困った時こそ『人のために』って動けたのよ」。ある婦人は、震災当時を振り返りました。「人のために生きられることが幸せです」。自らも被災しながら、被災者支援の仕事に携わる青年は語りました。「人に尽くす」ことは、「人のため」だけでなく「自分のため」であることを、私たちは学んだのです。
 最新の脳科学の研究でも、恋愛などより、「利他の行動」から得る快感の方がずっと大きいことが分かりつつあり、その快感は、他者の評価の有無によっても変わらないとする見方があります(『脳科学からみた「祈り」』中野信子著、潮出版社)

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