2012年08月29日

図会

 江戸時代。全国各地の名所案内集というべき「図会」が、次々と作られました。その中でも現在の大阪、兵庫を描いた『摂津名所図会』は9巻12冊の大作です。
 最初に登場するのは、大阪・住吉です。場面は旧暦の桃の節句のころ、住吉の海岸が潮干狩りを楽しむ人々で、大変な賑わいだったこと等が描かれています。また、この時季は潮が遠くまで引くので、干潟を歩いて、尼崎までわたることができたそうです。人々は「歩行者天国」のように、海辺に沿って、楽しく語りながら、兵庫と大阪を往来したそうです。
 別の「図会」には、琉球(沖縄)からの船が大阪の港に到着する様子も描かれています。思いのほか、大きく豊かな交流が築かれてきたのだと驚きます。
 誰しも歴史に向き合う時、新しい発見に心が弾みます。それぞれの時代、それぞれの地域に、民衆が行き交い、躍動した歴史があります。現代の私たちの行動も、後世の人が心を弾ませる「歴史」として残したいものです。

摂津名所図会 http://www.oml.city.osaka.jp/image/themes/theme89.html

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