2012年08月27日

不屈の言葉

 「はかり」は、物の重さを量れますが、自分の重さは量れません。「物差し」は、物の長さを測れるけれども、自分の長さは測れません――。これは、江戸時代の儒学者・佐藤一斎の言葉です。
 他人と比較することで、自分を知ることはできません。当たり前の話ですが、ともすると忘れがちです。そうした意味で、数値だけで「人間」を推し量ることはできません。人が秘める可能性の力は多彩ですから。
 歴史に名を残したチャーチルやガンジー、アインシュタイン、レントゲンなどは、若いころは落第生だったり、劣等生だったりしたという。しかし、彼らには共通することがありました。それは「自分で自分をあきらめなかった」ということ(『青春対話I』)。決して自分を小さく量ったりはしなかったのです。
 よく「自分はまだまだ」と言います。私たちは、その言葉を、自分で自分に見切りを付ける時に使いがちです。そうではなく、着実に粘り強く前へ進もうとする「不屈の言葉」にしたいものです。

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