2012年07月25日

ミラー効果

 見知らぬ人がすれ違うとき、会釈を交わし合う街があります――それは東京(江戸)。といっても現在の東京ではなく江戸時代の話です。
 当時、江戸は人口100万人ともいわれていました。他人と触れ合わずには過ごせない街です。ご存知のようにこの時代は「士農工商」と呼ばれる身分制度がありました。その為「髪形や服装などから身分がひと目でわかる時代でした。身分の差異を乗り越えて円滑なコミュニケーションを築くための知恵だったのかもしれない」(中江香著『お江戸のニコニコ人情暮らし』中経出版)。人は誰でも、あいさつされればうれしくなるし、喜ばれれば、こちらもうれしくなるものです。
 良い人間関係を築く上でヒントになる「ミラー効果」という仮説を中村克洋・広島経済大学教授が立てています。仮説は「人と人とのコミュニケーションにおいて、人はあたかも鏡を見ているかのように『相手の顔の表情』に影響(共感)を受ける」。「相手と同じ表情をしてみる」ことで初めて「相手の表情の意味を理解する」と考えられるそうです。


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