2012年06月12日

スポーツが和解と融和

 今、2014のブラジル大会にむけて、サッカーのワールドカップの予選が開催されています。前回の2010年のワールドカップは南アフリカで開催されました。この実現に果たしたマンデラ元大統領の功績は疑いないことでしょう。会場になったサッカーシティー競技場は22年前、出獄した元大統領の歓迎集会が開かれた場所でした。
 スポーツは単なる娯楽に止まりません。特に南アフリカでは。アパルトヘイト(人種隔離)の時代、サッカーは抵抗と尊厳の象徴でした。黒人の組織とリーグが整然と運営され、白人リーグをしのぐ人気を誇ったそうです。
 政治犯が収容されたロベン島でも20年以上、毎週リーグ戦が行われました。受刑者は振り返ります。「自由を奪われたわれわれを、サッカーは自由にしてくれた」(チャック・コール、マービン・クローズ著、実川元子訳『サッカーが勝ち取った自由』)
 マンデラ氏も、この孤島でスポーツの力を知りました。大統領となった彼は、ラグビー・ワールドカップの南アフリカ大会(95年)で、優勝した代表チームのユニホームを着て表彰式へ。「白人のスポーツ」とラグビーに敵意さえ抱いていた黒人も、快挙に喝采した。スポーツが和解と融和を一気に進めたのは間違いありません。


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