2012年04月15日

伝統を受け継ぐ

 最古の民族の一つとされるキルギス。その輝く伝統を受け継ぐのがキルギス共和国です。
 キルギスの有名な叙事詩『マナス』は、千年の時を超えて、英雄マナスの活躍を語り継ぐ世界最大の口承文学といわれています。首都のコンサートホール前庭には、勇者マナスの騎馬像が屹立しています。その勇姿を見上げるように、実在した叙事詩の語り部たちの胸像も立っています。英雄讃嘆の言葉を紡ぎ、吟唱してきた語り部たちもまた英雄なのです。
 吟唱を会得するには相当の修練が必要ですが、その伝承方法には「家伝」と「師承」があるという(若松寛訳『マナス 少年篇』東洋文庫)。キルギスでは幼い時から、家庭で日々、『マナス』に接し、父や兄から薫陶を受けるそうです。その後、名のある師匠を訪ねて、内容の理解を深め、技巧を習得していきます。このように、家族の中での継承を基盤に、師を求め、自らをさらに磨き高めていくことで伝統は受け継がれていきます。

キルギス共和国
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/1320/

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