2012年03月25日

 「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」。この季節、在原業平のような心境の方もいることでしょう。私の住む北名古屋市ではまだ桜の開花宣言はされていません。咲けば咲いたで、きょうの雨や明日の風で散ってしまわないか……。さまざまに心騒がします。桜は実に不思議な花です。
 平安時代以降は花と言えば桜と言われてきました。そして、さまざまな形容も生まれました。枝先の桜花を雪に例えた「梢の雪」。「花逍遥」は、桜を見ながらのそぞろ歩き。「夢見草」「心の花」という表現もあります。これらは『自然のことのは』(幻冬舎)に教えられています。
「さまざまの事思ひ出す桜かな」(芭蕉)。人生の句読点に、桜色に染められた思い出を刻んでいる人も多いに違いない事でしょう。

 在原業平http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%A8%E5%8E%9F%E6%A5%AD%E5%B9%B3

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