2012年03月14日

創業の精神

 江戸時代の鎖国下、長崎は、唯一の開港地でした。長崎の街を歩けば、創業が「寛永」「天保」など、江戸期の老舗と出合う事が多々あります。
 日本には、個人商店や小規模な会社を含めると、創業100年を超える老舗は10万以上もあり、その約半数を製造業が占めています。高度情報化や技術革新の激動を乗り越え、“のれん”を守り続けた老舗製造業には、共通項が見受けられます。
 (1)優れた人材を取り入れるのを躊躇しない(2)時代の変化にしなやかに対応(3)創業以来の家業の部分は頑固に守り抜いている(4)“分”をわきまえている(5)売り手と買い手とが公正と信頼を取り引きの基盤に据えてきた――ことが挙げられる(野村進著『千年、働いてきました』)
 人材の登用、進取の気風、こだわり、謙虚さ、公平な理念。老舗の伝統は看板という形式ではありません。創業の精神を守り、発展させゆく後継者の努力と信念にこそあるといえましょう。

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