2012年03月08日

十人十色

 同じ話を聞いても感動する人もいれば、しない人もいます。話の受け止め方は、人によってそれぞれ異なるからです。
 ガラスは氷と違って、とける温度が部分によって変わります。詩人の矢崎節夫氏は、人を一枚のガラスにたとえて、心の融点が一人一人、違うと言及しています。曰く「一度で感動しとける人、百度でとける人、千度でとける人」がいると。だから、対話をしていて、“なぜ、分かってくれないのか”と嘆くより、“もう少しこちらの温度を上げればいい”――と氏は語っています(『みすゞコスモス』)
 例えば、星を見るにしても、旅人にとっては大切な道しるべとなりますが、学者にとっては研究の対象物となります。ただの光と思っている人もいることでしょう。同じ星空を見ても、見る人によって、受け止め方は千差万別です。物の見方や考え方は、十人十色であるからです。その違いを知ったうえで、対話をすることが大切でしょう。


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