2011年12月20日

和の本来の姿

 「和」の字は、さまざまな意味を持ちます。和服、和食といった使い方は、「日本独自のもの」であることを示します。
 しかし、例えば、着物は「日本独自のもの」なのでしょうか? その起源をたどってみると古代中国の衣装にたどり着きます。材料の絹や木綿も中国から渡来しました。
 和食の代表ともいえる、天ぷらの原型が大航海時代、ポルトガルから伝わったことは有名な話です。このように「和」を冠しても、実際には「外国」由来の物が混在しているところが興味深いものです。これらは、「日本独自のもの」というより「日本で進化したもの」と呼んだほうが・・・・・
 
 俳人の長谷川櫂氏は指摘します。西洋化された住宅の中に、畳の間が違和感なく存在している――つまり、異質のもの、相容れないもの同士が引き立てあいながら共存すること。それが日本人が培ってきた和の本来の姿である、と(『和の思想』中公新書)


この記事へのトラックバックURL

http://asunimukatuye.mediacat-blog.jp/t73930