2011年12月07日

近代史の奇跡

 「江戸無血開城」は、近代史の奇跡といえます。それは、時代も理念も社会構造も大きく異なるとはいえ、フランス革命やロシア革命は、一面から言うならば、おびただしい流血の惨事であったことを見ると。

 江戸へと進撃する薩長の官軍。迎え撃たんとする徳川勢。両者が激突すれば、江戸は火の海となり、多くの民が犠牲となったにちがいありませんでした。内乱の拡大は西洋諸国の介入を招き、日本は植民地にされていた可能性もありました。
 この無血開城が、勝海舟と西郷隆盛の肝胆相照らす交渉によって実現したことは、よく知られています。が、その陰には、女性の力も働いていたことを忘れてはいけません。

 その一人である、薩摩から輿入れした篤姫(徳川13代将軍・家定の正室)は官軍側に進撃中止の書状を送り、皇女・和宮(同14代将軍・家茂に降嫁)は公家側の説得に力を注ぎました。その間のドラマは、例えば作家・植松三十里さんの『天璋院と和宮』(PHP文庫)、『大奥開城』(双葉文庫)などに詳しく書かれています。

天璋院と和宮
http://30miles.moo.jp/2008/%E3%80%8E%E5%A4%A9%E7%92%8B%E9%99%A2%E3%81%A8%E5%92%8C%E5%AE%AE%E3%80%8F/

大奥開城
http://30miles.moo.jp/2008/%E3%80%8E%E5%A4%A7%E5%A5%A5%E9%96%8B%E5%9F%8E%E3%80%8F/


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