2018年03月28日

 俳句で「春の季語」を知って見えますか。梅や桜は言わずもがなとして、驚いたのは「凧」です。正月に揚げるイメージから、冬の風物詩とばかり思っていました。そもそもは江戸時代に春の行事として流行したものらしいのです。凧のほかに風車、風船、石鹼玉も春の季語に入るそうです。
 いずれも「風」と遊ぶ玩具ですね。暖かさを増した風に誘われ、子どもたちが外遊びに興じるのどかな光景に、昔の人々は春の訪れを重ねたのでしょう。
 季節の移ろう日本では、風の変化を鋭敏に読み取る感性が磨かれるのかもしれません。「風」の語が、自然現象にとどまらず、「世の動き」「形勢」等の意味で使われるのも興味深いですね。
 同じ「風」でも捉え方は人それぞれ。少々の「向かい風」に怯む人もいれば、鳥や飛行機のように飛翔の好機とする人もいます。向かい風であれ、追い風であれ、生かせるかどうかは自分次第。どうせなら風を利用して勢いづけたいものです。
 仏典に登場する伝説上の虫「求羅(ぐら)」は大風に吹かれるほど、その身が倍増するそうです。

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