2018年03月12日

触れ合うことの大切さを

 旋盤工が使う図面には、百分の一ミリ単位の数字が並んでいました。その精密さにひるむ見習工。先輩が声を掛けました。「百分の一ミリってのがどんなものか、教えてやろう」と。
 先輩は見習工の両手に髪の毛を1本ずつ持たせ、親指と人さし指でもませた。「どっちが太い?」。正しく答える見習工。その差、百分の一ミリ。「な。百分の一ミリなんて、そんなもんだ」と先輩。人間の指先がどんなに鋭いものかを教えられた、と熟練の旋盤工で作家の小関智弘さんは振り返えっています(『町工場・スーパーなものづくり』ちくま文庫)
 触覚だけでなく、人間の五感には想像以上の力がもともと備わっています。そう考えると、電話やメールですませず、直接会って触れ合うことの大切さを改めて思いませんか。

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