2017年08月31日

かあさんのこもりうた

 クマの親子を描いた『かあさんのこもりうた』(金の星社)という絵本があります。
 3頭の子グマは、自分たちへの思いを込めた母グマ自作の子守歌を聞いて、いつも眠りについていた。だがある日、母グマは森を襲った嵐の犠牲に。残された子グマたちは、つらくて心が挫けそうになる。それでも子守歌に母の愛と希望を見いだし、悲しみから立ち上がるという話です。
 この絵本が誕生した背景には、一つのエピソードがあります。東日本大震災で母を亡くした小学3年生の女の子の元に、一通の手紙が届きました。差出人は亡き母でした。小学校へ入学する娘にランドセルを購入した際、母がわが子に宛てた手紙を書き、それを1000日後に配達する「未来へつなぐタイムレター」という企業サービスによるものだったのです。この実話をきっかけに絵本は生まれたのです。

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