2017年08月19日

世界で一番貧しい大統領

 蓄財に無関心で、銀行口座すら持たないウルグアイのムヒカ前大統領は、「世界で一番貧しい大統領」と呼ばれています。
 “貧乏とはいくらあっても満足しない人のことだ”“命より高価なものは存在しない”――氏の発言や評伝は、日本でも本やテレビで紹介され、話題になりました。これは、市場主義がもたらす格差の拡大への根源的批判が、人々の心に刺さるのでしょう。
 青年時代の氏は、経済政策の失敗による貧富の差の拡大に怒り、反政府ゲリラに加わりました。逮捕され、14年近く投獄された。だが、その獄中生活のおかげで、氏は、“ファナティシズム(狂信)は憎しみを生む。異質なものに寛容であってこそ、良き社会を築ける”との考えを得たのです。(『世界で一番貧しい大統領と呼ばれたホセ・ムヒカ 心を揺さぶるスピーチ』ゴマブックス)

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