2017年07月07日

しんがり

 戦国武将たちの「変わり兜」が最近、静かな人気だそうです。昆虫や動物などをかたどったデザインが目を引く。それは、恩賞や出世のために、戦場で目立つことで、味方の総大将に認めてもらう工夫でした。
 そんな目立ってこその世界で、総大将のほうから、実力ある武将を頼み、仰せ付ける役があります。「しんがり」です。「しんがり」を残して味方のほとんどが退却するため、その働きを見届ける人はいません。誰が見ていなくとも、出すべき力を出す、真の実力者でなければ務まらない役目なのです。
 山登りでも、経験と判断力と体力の一番秀でた人が、隊列の「しんがり」を務めそうです。先頭に従いつつ、後ろから全員を気遣いながら、ついて行けない人や、よろけたり足を踏み外したりする人を素早く助けるのです。
 哲学者の鷲田清一氏は、そういう「フォロワーシップ」こそが、現代社会で重要なのではないかと指摘しています(『しんがりの思想』角川新書)

この記事へのトラックバックURL

http://asunimukatuye.mediacat-blog.jp/t123170
この記事へのコメント
 哲学者の鷲田清一氏は、そういう「フォロワーシップ」こそが、現代社会で重要なのではないかと指摘しています(『しんがりの思想』角川新書)
Posted by relojes replicas at 2017年07月11日 09:57