2017年06月17日
夏目漱石の書
夏目漱石が弟子の内田百閒の家を訪れると、床の間や柱などに、自分が贈った書が飾られていました。漱石は出来栄えが不満だったのか、書き直したいと言い、後日、百閒が持参すると、目の前で破り捨ててしまったそうです。
これに心乱れた百閒は、漱石に手紙を書いきました。――あの書は単なる美術品ではなかった。見るたび、わが心は落ち着きを取り戻していた。「先生の書は私のただの品物ではなくなって居ります」と(出久根達郎著『漱石先生の手紙』講談社文庫)。書の価値は字の巧拙では測れない。「心」が宿っているからです。
これに心乱れた百閒は、漱石に手紙を書いきました。――あの書は単なる美術品ではなかった。見るたび、わが心は落ち着きを取り戻していた。「先生の書は私のただの品物ではなくなって居ります」と(出久根達郎著『漱石先生の手紙』講談社文庫)。書の価値は字の巧拙では測れない。「心」が宿っているからです。
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