2017年06月15日

家康、江戸を建てる

 重版が続く歴史小説『家康、江戸を建てる』(門井慶喜著、祥伝社)は読み応えがあるよです。徳川家康が関八州へ移封されたころは、未開も同然だった江戸。その街づくりを手掛けた職人たちが主人公だそうです。
 東京湾に注ぐ利根川を太平洋に注ぐよう東遷させ、耕作地、居住地を広げた改修事業。貨幣を全国的に統一するための小判鋳造。武蔵野の源泉から飲み水を引き込む水路工事。江戸城の石垣に使う巨石を、伊豆の山の崖から取る、命懸けの作業もありました。
 それぞれ分野は異なるが、誰もが天下の大仕事を支える“主体者”の気概にあふれていました。同書は小説だが、事実、そうした心意気あればこそ、今日の東京に続く、江戸の礎が築かれたに違いない。早速購入して読んでみよう。

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