2017年06月09日

高度な人間の能力

 チェコの作家カレル・チャペックが「ロボット」という言葉を世に出して97年です。人工知能(AI)が、囲碁で世界最強レベルの棋士に勝つ時代を迎えました。AIの活用は、日本の成長戦略の柱にも位置づけられています。医療の画像診断、車の自動運転などに用いることで、社会の安心・安全に寄与することが期待されます。
 一方、実験中とはいえ、人工知能が人種差別的な発言をした、というニュースもあります。インターネット上で人と会話を重ね、言葉と会話を学習するAIに、差別的な内容を覚えさせた人間がいたようだ。AIがもたらす未来へ、一抹の不安を抱かせる話でした。
 AIは“雑談”が苦手とされています。それは「パターン化された言葉の往復」をプログラムするだけでは、文字通り、お話にならないからです。
 言葉だけでなく身ぶり、表情、声の調子を感じ取る。相手の言葉に刺激され、次々と新しい発想、発見が生まれてくる――それが対話の醍醐味です。「対話する」ことは、とても高度な人間の能力なのです。

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