2017年06月05日

アジサイ

 アジサイが美しい季節とな2ました。アジサイは土の酸性の度合いによって、藍色からピンク色まで、さまざまな色を咲かせます。その麗しい姿は、古くは万葉集にも歌われています。まさに6月を象徴する花といえましょう。
 アジサイを市町村の花とする自治体も多くあります。長崎市と並んで、同じ港町の神戸市が有名です。1970年に市民アンケートを行い、最も人気が高かったことから選ばれたという。六甲山系の山野には、自生するアジサイも見られます。
 だが歴史をひもとくと、アジサイの咲くころ、神戸は何度も水害に見舞われてきました。河川の改修などの治水対策が進みましたが、38年(昭和13年)の阪神大水害、61年、67年をはじめ、水害は約1400年の間に70度ともいわれます。
 泥水につかるたびに、神戸の庶民は、軒下まで来た砂をかき出し、土砂に埋まった市電の車両を必死に掘り出しました。助け合い、苦境から何度もよみがえった神戸――その「不死鳥」の心は、95年の阪神・淡路大震災でも発揮されました。
 アジサイのがく片は一片一片は小さいですが、それが一つに固まって、手まりのような、かれんな形になります。さらにその“手まり”が、色とりどりに集まって、美の供宴を届けてくれる。アジサイの心とは「団結の尊さ」だと思えますが、あなたはどう思いますか。

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