2017年03月23日

陰で支え続ける行為

 選抜高校野球の熱戦が続いています。テレビでは分かりづらいですが、球場で野球を見ると、打者が内野ゴロを放ったとき、捕手も追い掛けるように一塁方向に走るのが分かります。これは一塁手の捕球失敗に備えるためですが、鍛錬を積んだ野手に失策はまれです。判定が出ると、なにもなかったように捕手は自分の守備位置に走って戻っていきます。
 慶應義塾大学の塾長を務めた小泉信三氏は、この姿に感銘を受けたという(『平生の心がけ』講談社学術文庫)。公算が小さくても万一に備え、陰で支え続ける行為に、尊い信念を見たのでしょう。

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