2017年01月08日

事の始めの種

 よく「新聞記事は“ねた”が勝負」などといわれます。辞書には「ねた」とは“たね(種)を逆さ読みした隠語”との記述も(「広辞苑」)。また「言葉」「文節」など、植物に関連した文字が入る文章用語も少なくありません。
 吉行淳之介さんの言い回しが振るっています。「地面の下に根があって、茎が出て、それから花が咲くようなもので、その花を文章にたとえれば、根と茎の問題が片付かなくては、花は存在できないわけである」(『私の文章修業』朝日選書)
 人はとかく“花”に目が行きがちです。葉の裏や、茎の根元を注視することは多くありません。ましてや、目に見えない地中の根っこや、事の始めの種に想像が及ぶことは、まれであります。

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