2016年12月27日

一代飛ばし

 ある農家の「おじいさん」の話。ワシらは、昔から『一代飛ばし』で頑張ってきた」と。
 荒れ地を開墾する。適した作物が見つかるまで、何度も失敗を重ねる。時間がかかる。子どもの時代には、無理かもしれない。「一代飛ばし」で、せめて孫の時代には豊かに――そんな思いで、おじいさんは頑張ってきたのだ。
 「林業なんて、最初から、百年後を目指して木を植えてるよ」。はるか遠くの未来を見据えながら暮らしてきた先輩たちに、頭が下がったという。
 きょうも「今」を耕そう。地道な持続のなかに、未来の豊饒は、きっと約束されていると信じて。

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