2016年10月24日

華岡青洲の妻

 256年前の10月23日、偉業を成し遂げた人物が誕生しました。世界で初めて全身麻酔による手術に成功した医師・華岡青洲です。
 しかし彼の成功よりも、彼を支えた女性たちのほうが有名でしょう。“病に苦しむ人々を何としても救いたい”と、一心不乱に麻酔薬の研究に打ち込む青洲を、わが身を捨てて支えた妻や実母らの存在なくして、近代医学の飛躍はなかった。その陰の功労は、有吉佐和子さんの小説『華岡青洲の妻』で広く知られるようになりました。
 青洲の故郷・和歌山には「婦夫波」という名所があります。沖合の小島で二つに裂けた波が、再び寄り添うようにぶつかる光景を、そう名付けました。女性に敬意を込め、あえて「夫婦」の字を逆にしたそうです。

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