2016年05月30日

苦闘の時こそ

 夏目漱石の晩年は、病との闘いだったそうです。43歳で持病の胃潰瘍が悪化し、入院・療養を余儀なくされました。そんな彼のもとに、遠方から友が駆け付けました。その中には、結婚を延期してまで、見舞いに来た友もいたそうです。
 漱石の感激は大きかった。「住みにくいとのみ観じた世界に忽ち暖かな風が吹いた」「願わくは善良な人間になりたいと考えた」と当時を振り返っています(『思い出す事など』岩波文庫)。
 苦闘の時こそ、真実の友情を知る事ができます。その時に受けた励ましは、生涯の支えとなり、生き方さえ変えていく事でしょう。

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