2016年03月22日

大坂魂

 NHKの朝ドラ「あさが来た」の原作本は「土佐堀川」ですが、今年は、大阪市の中心部を東西に流れる道頓堀川の開削から401年になります。私財をなげうって工事に尽力した町人・安井(成安)道頓を顕彰し命名したのは、当時の大坂城主で、徳川家康の外孫・松平忠明です。
 織田信長が「天下一の境地」と呼び、豊臣秀吉が首府に定めた大坂ですが、戦火で灰燼と化してしまいました。その再興に、忠明は若くして手腕を発揮。庶民との触れ合いに努め、城の修復よりも区画の整理や水路の整備を優先しました。
 近刊の『大坂誕生』(片山洋一著、朝日新聞出版)には、そうしたリーダーの姿勢とともに、「自分たちの街は自分たちで造り、そして守る」との信念で復興に力を注いだ、市井の人々の活躍も描かれている。著者はそれを「大坂魂」とたたえています。

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