2016年03月19日

ぞうさん

 童謡「ぞうさん」で有名な詩人、まど・みちお氏が亡くなって2年が過ぎました。氏にはゾウを歌った別の詩があります。1994年、85歳の時に故郷の山口県徳山市(現・周南市)を訪問。動物園のゾウを見て即興で作りました。「とくやまの/まるみみぞうさん/まあるい おみみで/まあるい ちきゅうのうた/きいているよ……」と。
 やや小ぶりなマルミミゾウはアフリカゾウの亜種とされていましたが、近年の研究で、別種に分類すべきと指摘されています。皮肉なことに、徳山のマルミミゾウは、DNA鑑定の結果、まど氏の来訪15年後にアフリカゾウと判明したそうです。
 森林ゾウともいわれるマルミミゾウは、環境破壊や密猟で激減し、現在、絶滅危惧種に指定されています。種の分類はどうあれ、自然との共生、命の掛け替えのなさを教えてくれる詩の心は変わりません。

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