2016年03月14日

日に日に新たに成長してゆきたい

 「生くる日の限り、日に新たに、日に日に新たに成長してゆきたい」。これは昭和初期の歌人・明石海人が綴った日記の一節です。
 25歳でハンセン病を発症した彼は、このころ、既に人の顔が識別できない状態でした。失明が迫る中、短歌を詠むことに、生を燃焼し尽くしたのです。時には日に三百首も詠んだと描かれる(『瀬戸の潮鳴り』松田範祐著、文芸社)。
 亡くなる直前に発刊された歌集『白描』は、当時のベストセラーに。詩人・大岡信氏は「もし長寿を保ったなら、昭和時代を代表する大歌人となったろう」と評しました。

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