2016年01月13日

ブックロード

 富岡製糸場が世界遺産に登録された一昨年6月、同時期に登録された遺産に「シルクロード 長安・天山回廊の交易路網」があります。
 これは、絹の道(シルクロード)が通っていた中国、カザフスタン、キルギスの3国が共同で申請したもので、かつてない規模の世界遺産となりました。
 絹の道は長安からさらに東へ、奈良まで伸びていたとする見方もありますが、中日交流史を研究する王勇氏は、中国と日本をつないだ道を「ブックロード(本の道)」とする視点を提示しています。
 その根拠として、中国を起源にして、絹は東へ西へ広まったが、漢文の書籍は、専ら東へ伝播しました。漢訳の「妙法蓮華経」も、そうして日本に伝わりました。
 また、進んだ大陸文化を求めて、遣隋使や遣唐使が海を渡りました。貴重な漢文書籍を手に入れるため、皇帝からの高価な下賜品を現地で全て換金して充てたこともあったといわれています(『奈良・平安期の日中文化交流』農山漁村文化協会)

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