2014年11月06日

渋味

 「柿むく手 母のごとくに 柿をむく」(西東三鬼)。たわわに実った秋の味覚に、母と過ごした郷里を思い出す人も多い事でしょう。
 渋柿は渋味が強く、とても食べられません。これはタンニンと呼ばれる成分のためです。だが柿を日光に触れさせたり、ヘタの部分を焼酎につけて寝かすことで、タンニンの渋味が抑えられ、おいしく味わうことができます。
 「渋味」を「甘味」に――「苦」を「楽」に転じゆく人生のドラマに重ねたくもなります。

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