2014年08月22日

大先輩を宣揚

 「小京都」と呼ばれる風情豊かな地域があります。それは秋田県仙北市です。ここには「みちのくの小京都」角館があり、旧盆の15日、400年続く鎮魂行事「ささら舞」が披露されました。
 「山には山のいのちあるかも 抱かれて朝夕あるに心足る」(遠藤桂風)と詠まれるように、山懐の自然に抱かれながら、角館の人々は伝統を受け継ぎ、心を磨き、文化を育んできました。
 ここから多くの文化人が世に出ています。例えば、美術家で歌人の平福百穂は、「岩波文庫」の表紙の装丁で知られています。江戸中期の画家・小田野直武は、日本初の本格的西洋書の翻訳本『解体新書』の挿絵を描きました。だが、その名は歴史に埋もれていました。
 しかし、小田野の没後150年に一書を著し、同郷の大先輩を宣揚したのが、平福でした。彼は『日本洋画の曙光』という書名に、小田野の画業の先駆的意義を込めたのです。


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