2013年12月30日

歴史の底流を見よ

 吉川英治氏の長編『新・平家物語』で、ただ一人、全編に登場する人物がいます。それは一人の演奏者です。彼は、華やかな宮廷を捨て、「貧しくても、心から歓んでくれるちまたの人びとの中で、笛も吹きたい」と庶民の海に身を投じました。彼を、吉川は「心の王者」と呼びました。
 為政者たちの興亡よりも、歴史の底流を見よ。そこには民衆がいる――これが歴史家トインビー博士をはじめ、多くの先人の慧眼なのです。

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