2013年10月25日

雁風呂

 東北・津軽地域に残る民話「雁風呂」をご存知ですか。月夜に雁が渡ってくる。疲れると、口にくわえた小枝を海面に浮かべ、その上で羽を休める。津軽まで来れば、もう大丈夫と、小枝を落とし、目的地に向かう。早春、今度は北へ帰る途中に津軽に戻った雁は、自分の小枝を拾って旅立っていく。残った枝は冬を越せなかった雁のものだ。薪にさえ事欠いた津軽の人は、力尽きた雁を偲びつつ、その枝で風呂を焚いたという。
 これは実話ではありません。だが、厳しい自然、苦しい暮らしを生きる人々は、一本の小枝にも深い思いを託していました。その美しい心が民話となり、今も、聞く人の心に温もりを届けています。

雁風呂 http://koyomi8.com/doc/mlko/200803180.htm

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